腫瘍(がん)の治療について

相模大野プリモ動物病院
院長 鈴木 義之

腫瘍といっても、その種類、経過によって状況はさまざまです。

  • ・手術はしたけれど、悪性で「再発の危険性が高い」、「すべて取りきれない・取れない」
  • ・化学療法を始めたけど、「抗癌剤の反応が悪い」、「副作用が強く継続できない」
  • ・抗癌剤は使いたくない。手術は避けたい。
  • ・少しでも生活の質をあげ、楽に過ごさせてあげたい。

 など、治療に対する反応だけでなく、飼主様のペットの治療に対するお気持ちもさまざまだと思います。当院では、飼主様にとっても、ペットにとっても、少しでも多くの選択肢をご提示できるよう、従来の3大療法(外科、化学療法、放射線療法)に加え、第4の療法として「免疫療法」や「代替医療」など先端の医療を取り入れ、総合的に幅広く対応出来ればと思っています。お悩みのことがあれば、遠慮なくご相談ください。

免疫療法 : 活性化リンパ球 (CAT)療法 (αβTリンパ球療法)について

細胞培養設備

細胞培養 培地

 動物の体内では常にがん細胞が生まれていますが、自然に備わった免疫力でがん細胞が増殖するのをおさえています。このがんの増殖を抑える役割を担っているのが 「リンパ球」で、がんなどの悪性の細胞を排除します。

 様々な理由により、免疫力が弱まってくると、がん細胞の増殖を抑える力が弱まり、がんが大きくなっていきますが、活性化リンパ球療法は、動物自身のリンパ球を活性化増殖させ、体内に戻すことで、弱った免疫力を回復させます。この免疫力を回復させることで、がんと戦う力を高めることができます。

 免疫療法は新しい治療法であるため、その効果については未だ不明な点も多く存在しますが、21世紀の新しいがんの治療法として最も期待されており、獣医療の分野でも良好な結果を得ることが出来ています。

【特長】
 活性化リンパ球療法は腫瘍の種類や臨床ステージにかかわらず、適用が可能です。また、自身の細胞を用いるため、副作用の心配が少なく、肉体的負担が最小限ですみます。そのため、治療は外来で行い入院の必要はありません。また、他の治療と異なり一般状態が悪くても治療が可能です。

【期待される効果】
・腫瘍の進行を抑制し、場合によっては退縮が期待できます。
・他の治療法(外科的、化学療法、放射線療法など)との併用による再 発防止、進行の抑制、また副作用の軽減が期待できます。
・低下した生活の質(QOL)の改善、または維持が期待できます。

【方法】
 血液を5〜10cc採取しリンパ球を分離した後、活性化させ約2週間かけて培養・増殖させます。その後、培養したリンパ球を約2週間〜4週間に1回元の体に戻して行きます。通常、2〜4週間毎×6回を1クールとして動物の状態を評価します。

 免疫療法は現在のところ、未知な部分も多く、実績も十分ではありません。また、培養した免疫細胞を投与するだけでは、十分な効果が得られないこともありますが、当院では、培養した免疫細胞がより効果的に力を発揮する方法、併用療法を模索しながら、多くの実績のもとに、治療の確立をめざしていきたいと思っております。
 細胞治療は、培養施設の設置や培地の準備など、非常にコストのかかる設備が必要となり、当然治療費も高額になってしまいます。しかしながら、当院では、今までにない良い治療を確立していきたいという気持ちから、当面は、治療費の病院負担枠を設けて、少しでも患者さんの負担を軽くしながら、実施していきたいと考えています。

費用等詳細はお気軽にお問合せください。

高濃度ビタミンC点滴療法について

 高濃度ビタミンC点滴療法は、2005年に米国科学アカデミーという医学雑誌で、ビタミンCを高濃度で点滴にすると抗ガン剤と同じ効果があることが発表され、2006年より急速に米国でこの治療が広まりました。現在では、獣医療でも適用される例が増えてきました。
 ビタミンCは通常、抗酸化作用、還元作用を持ち、血清中のビタミンCが超高濃度の場合、ガン細胞を死滅せしめる作用があります。超高濃度ビタミンC点滴療法は、点滴によってこの濃度を作る療法です。

【特徴】
 この療法は、正常細胞には副作用がなく、一般の抗がん剤のように耐性がおこらず、あらゆるガンに効果が期待されています。 ガン細胞に対しての選択的攻撃力が高く、現在、ガン手術後の再発防止、ガンの新たな補助療法として、米国・国立ガン研究所(NCI)、米国・国立衛生研究所(NIH)において研究が進められている、最先端のガン治療法です。

【適用例】
(1)有効な治療法がない場合
(2)抗ガン剤や放射線治療の効果が得られない場合
(3)抗ガン剤や放射線治療と併用する場合
(4)抗ガン剤や放射線治療の副作用が強くて続けられない場合
(5)一般状態が思わしくない場合

【期待される効果】
・腫瘍の進行を抑制し、場合によっては退縮が期待できます。
・他の治療法(外科的、化学療法、放射線療法など)との併用による 再発防止、進行の抑制、また副作用の軽減が期待できます。
・癌性疼痛の軽減
・低下した生活の質(QOL)の改善、または維持が期待できます。

【方法】
 使用するビタミンCは天然型のものを海外から取り寄せています。(国内製は防腐剤が入っているため)これを使用して、高濃度ビタミンC溶液を作り、約30分〜1時間かけて点滴します。点滴(ビタミンC投与量)量は患者(動物)によって異なりますが、通常、週に2回、血液内のビタミンC濃度を測定しながら、有効と思われる濃度まで増量、点滴を繰り返し、有効濃度での3ヶ月間の投与にてでその効果を確認し、さらに調整していきます。また、病状に合わせて適切に薬剤を配合し、効果的かつ安全に実施していきます。

参考リンク:点滴療法研究会ホームページ

費用等詳細はお気軽にお問合せください。

その他、代替医療ついて

 代替医療として「BRM療法(免疫賦活剤)」や「栄養療法」も取り入れております。これらの療法は単独での効果を期待するものではなく、標準的治療(外科療法、化学療法など)と併用し、効果の増強、副作用防止、生活の質(QOL)の向上、改善を目的に適用する場合がほとんどです。
 また、今後は、東洋医学を取り入れた試みも開始しており、将来的に専門科としての導入もしていきたいと考えています。

再生医療(幹細胞移植)について

イヌの皮下脂肪から単離して培養した脂肪幹細胞の顕微鏡写真(200倍)

 当院では、椎間板ヘルニアなどの脊髄損傷、慢性腎不全、骨折の癒合不全などを対象とした自己幹細胞移植療法に取り組んでいます。幹細胞とは血管、神経、骨などさまざまな細胞のおおもととなる細胞で、これを自分の細胞から培養し体に戻してあげる治療法を「自己幹細胞移植療法」といいます。
現在のところ、良好な改善症例も増えてきておりますが、まだまだ未知な部分も多く、実績も十分ではありません。

 当院では、「投与方法・投与回数・間隔」など病状に合った最良な方法を模索しながら多くの実績のもとに、治療の確立をめざしていきたいと思っています。

 細胞治療は、培養施設の設置や培地の準備など、非常にコストのかかる設備が必要となり、当然治療費も高額になってしまいます。しかしながら、当院では、今までにない良い治療を確立していきたいという気持ちから、当面は、治療費の病院負担枠を設けて、少しでも患者さんの負担を軽くしながら、実施していきたいと考えています。

 現在、治療の中心は、「椎間板ヘルニア等の脊髄損傷」のほか、「腎不全・骨折の癒合不全・慢性関節炎」今後さらには、「糖尿病」などへの応用も行っていきたいと思っています。
詳細は、当院までお気軽にご相談ください。

参考リンク:株式会社J-ARM

年中無休 午前診療/9:00〜13:00 午後診療/16:00〜20:00 夜間救急/20:00〜24:00

※夜間救急について

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